ティーンの依存について

この事について書くかどうか長い事考えていたのですが、
息子の方から
「これがもしも誰かを救う事になるきっかけになるのであれば、自分はそれをやらなくてはいけないのかもしれない」
という言葉を聞き、


私も、私なりに言葉でまとめてみることにしました。

お時間ある方、ご興味のある方、少しの間お付き合い願います。

うちの次男、たいらのお話です。

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コロナになり、もともとまじめな性格の彼はStayhomeになり、本当にずっと「Stayhome」していました。そうしなくてはならないと、信じているようでした。もともと、何かにはまりやすいタイプであったという事ですね。


そんな中、5月になって以前から欲しいと思っていたカメラを手に入れる事が出来、彼の世界は大きく変わりました。

家に滞在しながら動画作成。
その作業はあり得ないほど膨大です。

音楽という素材を用意するところから始まり、楽譜を引っ張ってきて
作成して収録して、

動画のイメージをつくりあげ、それを実現するために環境を整え、
撮影して、

素材が集まったら、
それからまた永遠に続く動画編集

全部の音をバラバラにして組み合わせ、
画像もバラバラにして、違う素材をくっつけたり重ねたり付け足したり、
そしてそれを一つの動画にする。


出来あがったビデオの中には、意外とびっくりするほどの良い作品もあったりして、

新しい世界に入り込んで生き生きしているこの子が、もっとのびのび製作できるためには…投資として動画作成用の新しいPCを購入するのもありかなと思い、

6月には、結構よさげなPCを購入。

私も学生の頃までなんちゃって音楽はやっており、遥か昔にパソコン上で音楽を作るというのがどんなものか、あさーくすこーしだけかじったことはあったので、

このPCでの細かい作業がどれだけ細かく、根気のいる、

恐ろしい事かという実感はありまして。



でも‥今は時代が違う。
みんなやってんじゃん。
きっと、今はこんなこと普通な事なんだよと自分に言い聞かせる。
どうなるか解らないけど、やらせてみよう・・・。
本人も、9月に大学が始まるまでの期間限定で、今なら思いっきりハマれる。このチャンスにやってみる!というし、お互い理解した上での開始でした。


やって来た新しいPCはそれはそれは素晴らしく。
でも、この画面とこの音に囲まれて、これはおかしな精神状態になるのではないか。。というなんだかその美しく繊細な世界に、なんだかぞぉーーーっとする感覚はありました。
思うんですが、あの音の良いヘッドホン。あれも怖い。。。




いやいや、何言ってるの?古い考えって笑われるかもよ?
みんなやっている事だし?

と、
やっぱりその不安を自分で取り消そうと必死な私。



一般的なティーンエージャーなら、動画編集なんかしなくても、普通にネットブラウズするだけで、
これ ↓ は多分通常の事だと思います。

ー動画などを見て、夜遅くまで、またはほぼ朝まで過ごす
ーもちろん朝は起きてこない
ーお腹がすかないからごはんを食べなくなる
ー部屋から出る機会が減る
ー動かない=Stayhomeでそれが正当化される
ーぴりぴりし始める
ー衝突したりすると、更に部屋からでなくなる
ーイライラする分、更に動画がネットの世界にはまる
ー体の変化に気づかずに、心の変化にも気付けず麻痺してくる

~そのおかしな状況が、その子の通常になり、そのまま何年も経っていく~



今回のたいらの変化を見て、
そうなっている子が本当にこのコロナにより、今の時期は多いのではないかと思いました。
かなりこれが、「通常化」しているのではないかと。


たいらは現在17歳。
小さい頃は親がコントロールできるところも、もう出来なくなる年。
自分で気づいてくれ.。という願いも込めて、あえて体調が崩れている所も見えてたけど私が治療することは避けていました。
本人が訴えてくるまでは、辞めておこうと。

ここで治療して体が楽になったら、更にこの不摂生を続けていくのではないかと思って。


最近は、
動画編集のタイミングによっては朝まで起きることはよくあり、
(でもそれは良くないことは自分でわかっていたので気を付けていたけど)
あまりお腹がすかないようでごはんの回数も減っていたし
口臭が凄かったり、他にも色々、結構体に来ている感じは凄くあった。

それでも私が家にいればよく動画に関して相談されたり会話したり、
精神状態は全然悪い感じはしなかったんですがね。

ただ、体力が凄い落ちてるなぁとびっくりしたのが、先日キャンプに行ったときに直面。本人も気づいて、少し外に出ないとというのには気づいていて。
でも動画編集のタイミングによっては外に出る機会を逃す日も少なくなく。

よって、これではだめだと思っても一向に良くなる方には進んではいなかったでしょう。
多分これも、通常のティーンのルーティンなのではないかと。

きっかけは数日前に私がたいらに「家事でもやりなさい」と、食後の片づけを頼んだところから。
本人は、私が楽をするために自分を使わされるのかと不満爆発で言い合いをした時に、

私が「そんな体調でそんな生活習慣で、そんなに反抗的になってきて、自分の世界に入り込んで、こういう奴が典型的な挙句の果てには自殺とかする事になるんだよ!」といった言葉に過剰に反応したらしく。


そういえば、昔から怖がりで公園の鳩が怖かったり、大量の毛虫に敏感だったりしたなぁと思いだす。
「死ぬ」とか「自殺」とか言う言葉を聞くとホラー映画を見た後のような不安な気持ちがずっと続くような、昔からそういう性格だったようです。

今回、この夜から彼はそのホラー映画を見た後の状態が続き、その日は早めに寝てくれたんだけど、

その翌日の夜は、
寝たいのになんだかそんな気分にならないで、
だらだらと動画を見ていると、
朝の4時になってしまい(よくあること
お布団に入ってもクリアーにホラーの感情が強く残り、
心臓がバクバクし始めて止まらなくなり、

どうしようもなく不安になり、
私の寝ているベットルームにやって来たという。
(たぶん、ここは通常のティーンエージャーでは出来ないところでしょうが)


そこで眠れたんだけど、
翌朝になってもその心臓バクバクは止まらず、
相当不安になったらしく。

自分は自殺なんかしないしって気持ちは強かったらしいんだけど、
自殺しない、自殺しない。というのが頭の中に回り、
そのうち本当にしてしまうのか?!という不安に駆られたようです。



で、その日の朝、たまたま私が仕事に行くタイミングだったので、一緒に連れ出して。
私の仕事場から家まで歩いて帰るという運動をさせようと連れ出したのですが。


そこでふと彼の不安の緊張の糸が切れたようで、
涙を流しながら状況を話し始めて。
本人も、自分の想像以上に大きなものを自分が抱えてしまっていたことに気づいたらしいんです。


そしてそのタイミングで治療したのが、相当リリーズに一役かったらしく。




それからずっとたいらと話をしているのですが、
このような状況でも(相当私と近い関係で常日頃からかなり話をしている関係だったのですがね)

それでもタイミングやきっかけをちょっと逃すだけで、

もしかして本当にこの子は自殺していてもおかしくなかったんじゃないかなと思ったのです。

そうか。。こうやって避けられない自殺って起こるんだろうなぁって。




そして、本人も親も周りも気づかずうちに
このようになる今の環境。

じっと動かずにネットの世界に入る事により、
体の変化がもたらす心の変化に本人や家族が気づけるかどうか。


「この恐怖が生まれたのは、たいらのせいじゃない。あなたが体を動かさずに作り上げたこの体調がそういう心を生み出したんだよ。」

という言葉に大きく動かされたと、たいらは言っていました。

自分の気付かない所で、
自分の中に変化が起きてて、
でもそれに気づけないから。

それがどうしようもなくなるんだなぁーって。



もしも皆さんの周り、ちょっと気になる子がいたら声をかけてみませんか?
少しでも気になるなら、「まさかね」って思いながらでも、話のネタにしてもらても。
何か話し始めてみませんか?



年齢も上がってくると少し無理やりかもしれないけど、
でも、強制的にでも外に出るなりその世界から引きはがしたりする事も、大事なんじゃないかって思っています。

子供は自由に育てよう。
子供の好きな事だけをさせよう。
あまり介入しないようにしよう。
その子のプライバシーをリスペクトしよう。
自然にその子が学ぶのを待つべきだ。

ティーンなんて、ほっとくのが一番。
勝手に育つから。



それも大事だけど、それは、自然の中で生活を楽にする余計なツールがない所で原始的に暮らしている人達には言える事。
今は何もしなくても自動的に楽すぎる生活で。。。

彼らが自ら学ぶ機会が、昔に比べてごっそりと抜けている日常生活となっています。



無理やり引きはがすのも、未成年者の保護をしている大人の役目なんじゃないかと心から思っています。


もちろん、無理やり引き剥がすなんて荒治療を可能にするのは、日ごろから子供たちと近い関係であること。
信頼関係が築けていてこそ可能なのだと信じています。
やみくもにやるべきことでもない。

子供ってずっと見ていると、変化が事前にわかると思うんです。
いや、わかるように日ごろから、大人たちが子供たちを見て感じてあげてください。

というか、見ていきましょうよ!という提案でした。
大人の方が断然その辺りの教育が必要!




麹をお世話してても思う事。
この麹は今どうしてもらいたいと思っているかな?と、麹を触りながら読んで行く。子供の心に触れてみるように。


五感を使う事、
見ようとする気持ち、
触ってみようとする気持ち、
聞いてみようとする気持ち、
味わってみようとする気持ち。




そんな手の感覚、何かを探るような感覚、そのスキルというは、人生の中で大きな助けになると、

私は心から信じています。


もし、気になる子がいらっしゃり、でもどうしたらよいか解らないようであれば、私の方にご一報くださっても大丈夫です。
あれ?と思うのであれば、その感覚は無視してはいけないのではないかと信じています。

私は精神科の専門でもない、ただのいち鍼灸師なだけですが、

話を聞く事は出来るし、何か役に立つことがあると思います。


鍼灸治療はとても効果的だし、なによりもそのタイミングを逃す事を避けることが出来るのであれば、
こんなに意味のある事はないと思っています。

たいらも自分の経験が、そんな子たちを助ける事につながるのであればと思っています。子供同士の方が話がしやすいようであれば、たいらと繋げます。


まだまだ夏休み真っただ中。
楽しい夏を過ごしましょうね!


2020.Jul 24
しおりでした。