今日は、今回の講習会で改めてしみじみ思った話。
皆さんにおたいを包む布についての話をしてて気づいたのですが、
多分私はこれを伝えたかったんだなと、後から気づく。
布は15センチ角に切って、使ってみましょう。
との指示。
写真もあげて、こんな風にしてみようねーと言ったのには、
意味がありました。
晒布(さらしぬの)
皆さん使ったことありますか?
手拭い(てぬぐい)
これなら持っている人も結構いるかな?
海外に住んでいるなら尚更てぬぐいの素晴らしさに気づく方も多いかも知れません。
日本の布文化について話すとまたそれだけで興味深いトピックですが、とりあえずリンクだけ貼っときます。
この、布の模様の話なんかも大好きー。
https://wawawork.work/workerstrend/fashion/485/
今回のポイントは、手拭いは両端が切りっぱなしだということ。
日本の手拭いの布は、シンプルな平折りで綿100%で作られています。
切りっぱなしにしてて少しくらい糸がでてきてても、使ってていくうちに布が収縮してそのうちほつれは出なくなるもの。
むしろ切りっぱなしにすることにより、乾きがとても早く雑菌が繁殖しにくいという特徴があります。
タオルなんかの分厚いやつだと特に、端の縫い返ししている部分が乾ききれていなかったりしたことないですか?
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さらし布(漂白された白い布、手拭いの元になる)
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晒布(さらしぬの)というと、妊婦さんの腹帯に位しか思いつきません?
持っている人もいるけとタンスの肥やしになっている人も多いかなー?
料理をする時、特に日本食に大事な道具の一つでもある、さらし布。
昔はキッチンペーパーなんてものはなく、何をするにしてもさらし布やてぬぐい、要するに環境に優しい「布」を使っていました。
そもそも着物を作る時に出てきた布の端くれを、そのまま生活の中で使い始めたから切りっぱなしだとも言います。
江戸時代から発展した手拭い文化、切りっぱなしの布を粋なものだという捉え方をした遊びココロタップリな日本人。
その心は衛生的で理にかなってて、便利でとても重宝し、
人にも環境にも、お料理にも、、最高に優しい。
そこに気づいてもらえればとっても嬉しいです♪
真新しいさらし布は料理用に。
料理の落し蓋として、
出汁を搾る時にも
素材をくるんで染み込ませる料理に
乾燥させるために、
保湿するために。
用途を分ければ
お皿を拭くふきんとして
雑菌が出てきて嫌な匂いがしたり、リセットしたい時には
熱湯消毒さえすればいつでも清潔に元通り。
古くなってきたら
台ふきんとして、
ボロボロになってきたら
床掃除用の雑巾にもなれる。
最後の最後まで、ありがたく使うことが出来るのです。
++++
という事で、この会では、
さらし布がいかに凄いか!を紹介する会にしよう。
と、決めた昨日でした。
日本人の着物文化もそうですが、
洋服と着物の違いは、
既にサイズがとられている洋服を選ぶ
=洋服に自分を合わせる(洋服がメイン)
日本の着物は一枚の布を体に巻き付けて、布が体に合うように調整する
=布を自分に合わせる(自分がメイン)
最初から出来上がっているものを使うのではなく、
用途に合わせて調整して、
それを着こなす、
そして使い回すという考え方。
日本人らしい、賢い人達の使い方だなーって、
昔の日本人に対して、尊敬の眼差しまで持っちゃいます。
用途にあわせた違う種類の道具を買ったり増やしたりするのも便利ですが、
道具に使われるのではなく、
道具よ、私の用途に合わせるのよ。。。
一度、、昔ながらのさらし布を生活の中に入れてみませんか?
怪我にも使えるしね。
風呂敷文化もそうだね。
もの(目的)により形を変えて、様々な用途で使えるんですね。
日本文化、素敵です。
2020年5月12日(水)
しおりでした。
明日はひもについてお届けします。