麹についての説明をしたいと思います。
麹とは、お米にカビが生えたものです。
カビの名前は、アスペルギルスオリゼーと言います。
コウジカビは日本では国菌とされ、日本の伝統的な和食の多大なる調味料を作る元となっています。
味噌、醤油、味醂、酒、お酢、日本酒。
これらは全て、麹菌から出来ています。
カラフルな麹菌、種麹の話
麹と一言で言っても様々な種類があります。
一番有名なのは黄麹。
米麹を使ったお味噌を作る時に使われる一般的な物です。
その他、麹菌と言っても様々な色があり、
黄色をはじめ、白、緑、黒、赤、となんとカラフルな。
白は甘みを出し安く、
緑は旨味を作りやすい。
黒は酸味を出しやすく、
赤は。。。紅麹という名前で、日本は沖縄の方や台湾、中国の方でお酒の造る時に使われており、薬として存在していたようです。
麹は、人間の体に必要な酵素のほぼすべてを出すといわれています。
素晴らしいですね。
この麹が出す酵素や微量ミネラルが私達の体には沢山の有益をもたらし、様々な美味しい調味料を作り出してくれています。
違う色の麹菌は、違う種類の酵素を出すという事です。
それに従って、何を作る為にどの特徴の麹を使って作るか。
という事になります。
詳しくは、麹の学校in Canadaにご参加くださいね。
この麹を操り、自分の好きな酵素を出して、自分の理想的な調味料が作れるようになりますよ。
麹菌が何をしてくれるのか
さて。
ここまでは麹菌の種のお話でした。
ここからは成長した麹が、一体私達の体に何をしてくれるのか。というお話です。
解りやすく簡単に、麹がやってくれる代表的な事を3つ!
~~~その前に、大事なことを一言。麹は酵素を出ます。。私たちはその麹の出してくれた酵素によって恩恵を受けるのです。麹菌そのものが栄養豊富な訳ではありません~~~
1.私たちが食べる前に、食品を柔らかくしてくれるー消化のサポート
麹が作り出した酵素が、食品を分解して私達の口に入る前に柔らかくしてくれ体内での消化・吸収がしやすくなります。
2.麹が作り出した酵素やビタミン、ミネラルなどの微量栄養素がそのまま私達に吸収されるービタミンプラス!
こうじ菌は、自身の代謝の過程で、ビタミンB1やB2、B6、ナイアシン、パントテン酸、イノシトールなど肌の代謝を促進するビタミン類が作られます。
3.麹菌は死んだら腸まで届かないから意味がない? ー善玉菌を元気に!
いえいえ、死んだ麹菌の死骸は、腸の中で善玉菌の餌になるといわれています。善玉菌そのものを外から取り入れても、どれだけ腸の中でそれが生きてくれるか。それよりも自分自身の持っている善玉菌を強くする事が何倍も大切です。
発酵食品を取るという事は、自分の体の中そのものの環境を整えるという事に繋がるのです。
もう一度言います。
麹を食べるのではありません。
麹の出した、酵素やビタミン、ミネラル類が私達に関わるのです。
それを理解することが出来れば、麹食品をどのように料理に使って体に取り入れれ行ったらよいかが解ってくると思います。
酵素に分解させる。
分解させて更に豊富な栄養素が出てきた食品を取る事にしたいですね。
酵素の生きた食品を生で食べる。
覚えておいてくださいね。
米麹 VS 麦麹
どうしてもこちら欧米では麦麹が主流です。
日本はお米の国なので、約8割は米味噌です。
因みに私は九州出身なので、麦味噌で育ちました。麦味噌は米味噌よりもうんと甘い味噌です。そのくせ…今では米麹の方が麦麹よりが好きですが、その辺りはお好みでどちらタイプの方もいらっしゃるでしょう。
麦か、米かの違いより、最近の新しい傾向にある、ウェスタン味噌の方が私としては気になります。
その勢いはびっくりするものであり、海外のシェフたちの研究熱心さにも本当に脱帽なばかりです。
日本には種麹屋さんがあるのでそこから買いますが、海外のシェフたちは種までも自分で培養して、日本の伝統的な方法な硬い頭からは想像もできないような発想を出して来て、素晴らしいものを沢山生み出し続けています。
もうすでに麹菌だけが独り歩きをし、全く違う文化が生まれているかのよう。
それが良いも悪いでもなく、お味噌が四季を通じて美味しくなる過程、微生物との美しい命のバトンを繰り返して出来上がるさま、麹に何かを分解させるという部分だけではなく、日本人が培ってきた歴史や文化背景、考え方なども、いち日本人として世界に正しい情報を伝えていくのが私の使命だと思っています。
発酵を通じてこの世の中の一員であること。
発酵を通じて感じる、すさまじいバランスの中、生かされている事。
そんなことを気づくきっかけになれればとても嬉しく思います。
最後に。。。麹ネタあれこれ
ー麹は、その食べ物を分解する効力を使って、胃腸薬としても有名
ー麹の保存方法、冷蔵庫で1週間、冷凍庫で数か月。乾燥麹は常温で1年は持ちます。直ぐに使う予定がない場合は冷凍庫が安心。乾燥麹とは、完全に乾燥させた商業用の商品で、冷蔵庫に置いていないもの。
‐麹はそもそも中国から伝わってきたと言われている。確かに中国から伝わったが、中国のそれはクモノスカビといわれ、固まった状態で発酵するもの。対して日本の麹はバラ麹と言ってバラバラの状態で発酵させる。菌も環境も全然違うんですね。
如何でしたか?
少し麹と仲良くなれそうですか?
日本から代々伝わる麹は、日本の風土と文化が織りなし培ってきたもの。
まずはその背景をしり、応用して、それから皆さんおひとりおひとりの生活環境に麹を反映させて発展刺させていくのが、一番有効的な方法だと思っています。